企業がYouTubeを始めるために必要なこととは?
②制作編──見られる動画の作り方
①準備編:目的・ターゲット・目標・競合・出演者/②制作編(今回):企画・台本・冒頭・サムネイル/③継続と改善編:まとめ撮り・社内スタジオ・分担・分析
制作①:最初の半年は「検索されるお悩み」を狙い撃つ
開設当初のチャンネルは、YouTubeのおすすめ機能(ブラウジング機能)に表示されにくい状態です。つまり受け身では誰にも届きません。そこで狙うのが、ユーザーが能動的に探しに来る「検索キーワード」という入口です。
検索から来た視聴者は、悩みを持って自分から探しに来ているぶん、興味が深く、解決してもらえれば一気にファンになります。再生数は地味でも、最も濃い視聴者が集まるのが検索流入です。
企画づくりの3ステップ
① お悩みキーワードを調査する。YouTubeの検索窓に自社商材やサービスの単語を入れ、表示されるサジェスト(予測候補)をすべて書き出します。Googleの関連ワードも同様に。これが「実際に検索されている言葉」そのものです。
② 検索意図を深掘りする。そのキーワードで検索する人は、何に困っていて、どんな解決策を求めているのか。ここを一段深く考えることで、他社と同じテーマでも中身が変わります。
③ 動画で「正解」を提示する。タイトルにキーワードを含め、その悩みにきちんと答える動画を作ります。
制作②:台本は「一言一句」書かない
ここが多くの企業がつまずくポイントです。丁寧に全文台本を用意した結果、動画が台無しになるケースをよく見ます。
台本づくりのコツは3つ。見出しをカード化して話すテーマごとに1枚用意すること、要点は3〜5個以内に絞ること(人が一度に覚えられる限界です)、そしてCTAを明記しておくこと。「チャンネル登録をお願いします」「概要欄から資料請求できます」といった一言は、忘れやすいのでメモに入れておきましょう。
制作③:離脱を防ぐ「冒頭の魔法の4要素」
視聴維持率が決まるのは冒頭1分です。この4つを必ず台本の最初に入れてください。
| 要素 | 役割 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| ① 実績(権威性) | 「なぜ私が話すのか」を示し信頼を得る | 「業界歴10年の私がお話しします」 |
| ② 共感(悩み提示) | 視聴者の問題を代弁し"自分事"にする | 「〇〇でお困りではありませんか?」 |
| ③ 損失(見ないと損) | 見ないデメリットを伝え離脱を防ぐ | 「これを知らないまま続けると危険です」 |
| ④ お願い(CTA) | 最後まで見る行動を明確に促す | 「重要なので飛ばさずご覧ください」 |
制作④:命運を分ける看板「サムネイル」3原則
どんなに良い動画も、クリックされなければ存在しないのと同じ。サムネイルは動画の中身と同じかそれ以上に時間をかける価値があります。守るべきは3つだけです。
- 文字数は13文字を目安に人が一瞬で認識できるのは13文字程度。多くても20文字以内に収めます。説明ではなく「引っかかり」を作るのが役割です。
- スマホで読める大きさに視聴者の約7割はスマホ。小さな画面でも読める極太ゴシック体のデカ文字を使いましょう。PCの編集画面で判断せず、必ずスマホで縮小表示を確認してください。
- 色は2色まで色を使いすぎると安っぽく見え、目線も散ります。メインカラー+強調色(赤や黄色)の2色に絞ると、それだけで一気にプロっぽくなります。
なお、サムネイルは公開後に差し替えられる数少ない要素です。クリック率が5%を切っていたら、動画そのものではなくまずサムネイルを疑って交換しましょう。
まとめ
制作編の要点はシンプルです。検索される悩みを狙い、台本は箇条書きにして自分の言葉で話し、冒頭4要素で離脱を防ぎ、サムネイルは13文字・スマホ確認・2色まで。この4つを押さえるだけで、同じ労力で作った動画の成果がまったく変わります。
逆に言えば、高価な機材や凝った編集は最優先ではありません。企画とサムネイルと冒頭──この3つに時間を使ってください。